清水港の歴史に触れる休日。フェルケール博物館で知る「静岡の産業」
コンサルタント 金子静岡県の暮らし・制度
2026年1月18日(日)
こんにちは。リンク・アンビション キャリアコンサルタントの金子です。
美術館が大好きで、展示を見ることを目的に県外にも足を運ぶことのある私ですが、今回は珍しく博物館に行ってきました。
JR清水駅・新清水駅からバスで数分、徒歩でもOKとアクセスのよいフェルケール博物館です。
U・Iターンを検討する際、『産業の成り立ち』を知ることは、新しい環境を想像するための大きなヒントになります。今回は、静岡の物流・産業のひとつの要である清水港の歴史が詰まった場所をご紹介します。

フェルケール博物館とは

(写真はすべて筆者撮影)
一言で言うと、「港町・清水の魅力が詰まった“港と船の博物館”」です。
正式名称は「清水港湾博物館」。愛称の「フェルケール」はドイツ語で「交通」を意味し、港と人・船とのつながりを象徴しているそうです。
「海事教育の普及、そして文化振興の役割を果たしていきたい」という想いの元、特定重要港湾、中核国際港湾に指定された清水港をテーマに、港湾の生い立ち、地域の歴史との関わり、そして、清水港を核とした地域の未来までを展望できる新しいスタイルの「港の博物館」を目指して開館以降歴史を積み重ねています。
常設展示では廻船問屋、和船、お茶輸出、缶詰産業など清水港にまつわる歴史を紹介しています。
企画展では地域ゆかりの文化やアートを楽しめるような様々な美術展が開催されており、何度行っても楽しむことができる場所です。
ではここからは写真撮影可能なエリアの写真とともに、フェルケール美術館の見どころを紹介します。
船 × レンガの美しい内外装
レンガ造りの重厚な入口を入ると、碇のオブジェや入口までの道が水に囲まれ、建物内も船を意識した造りとなっており、建築好きな方も楽しめるのではないでしょうか。
清水港の歴史
まず常設展示で清水の港が栄えてきた歴史を学びます。
前職は清水の回漕問屋(港での貨物の取り次ぎを行う業者)が始まりの物流企業だったため、一部知っていた知識もあったのですが、改めて清水が港町としてどう栄えてきたかを辿って学ぶことはとても楽しかったです。
「物流」という仕事の恩恵を受けて日々暮らしていることも再認識できました。
ただ文字での説明ではなく、精巧な作りの模型で視覚的に学べるため、大人も子供も楽しく歴史を学ぶことができます。
展示と展示の間の通路には資料スペース。机と椅子があり、資料の情報を書き写している方もいらっしゃいました。
続いてこちらは江戸時代から日本の貿易を支えた静岡を代表する商材、お茶に関する展示。
江戸時代末期以降、海外に輸出する茶葉を入れた茶箱にラベルとして蘭字が使用されたことについての解説とともに、近代グラフィックデザインの先駆けともいわれている茶箱の展示がずらっと並びます。
デザインが本当に凝っていて、ずっと見ていられます。
同じ部屋には当時の荷役作業の様子の展示や、開業当時の「巴川駅」の、清水港に積まれた貨物の荷姿、港で使われていた道具などの数々の模型などもあり、見どころがたくさんです。
和船の展示もあります。模型好きならたまらないのではないでしょうか。
2メートル近くあり近くでみると迫力があります。内装の部分まで細かく作られていて、つい見入ってしまいます。
こちらも和船作りに必要な器具なども壁一面に展示され、日本のモノづくりに興味がある方であれば夢中になってしまう展示でした。
清水の代表産業、缶詰の歴史
はごろもフーズ(シーチキン)や、いなば食品、SSKフーズ、ホテイフーズなど、静岡県にはツナ缶を製造する有名メーカーが複数あります。
国内ツナ缶生産の97%以上を担う全国シェアNo.1の静岡県ですが、実は清水が日本で初めてツナ缶を本格的に製造し海外に輸出した地でもあることはご存じでしたか?
ここではそんな歴史ある缶詰産業の町である静岡・清水ならではの歴史を知ることができます。
別館として「缶詰記念館」があり、缶詰の歴史や、缶詰づくりで当時使用されていた貴重な器具などが展示されています。
ピンクの壁がかわいいコンパクトな別館です。
今も身近な商品がいくつもあります。カラフルな缶詰がたくさん並んでいる姿はわくわくします。
缶詰の印字にこんなに豊富な情報があることを初めて知りました。
富士山、清水港を好んだ柳原良平さんの企画展
私が行ったタイミングでの企画展はサントリーの「トリス」でおなじみの柳原良平さんの作品の展示でした。
誰でも一度は広告等で目にしたことがありますよね。
2025年は柳原良平さん逝去から10年目の節目の年ということで、これを機会に横浜みなと博物館では柳原良平が愛した「船」・「アンクルトリス」・「横浜」を題材とした企画展が開催されました。フェルケール博物館では、横浜みなと博物館の企画展の趣旨に「清水」を加えて、「船・アンクルトリス・清水」を「柳原良平を形作るもの」として展示会を構成した展示が行われています。
実は柳原さんは富士山を背景とした清水港の風景を好み、清水港周辺を描いた作品をいくつも残しています。
過去の静岡関連の作品の一例:
・清水銀行の通帳イラスト
・東京~伊豆諸島を運航する東海汽船の高速船のデザイン
・高速道路の清水ICから見える清水区庵原配水場貯水タンク壁画
・富士ロジテックのサイロ壁画 などなど
今は別のデザインとなっていたり建物がなくなっているものも多いですが、思った以上に静岡・清水に縁のある作品があることに驚きました。
手描きかと思っていた絵が画用紙での切り絵だったり、細かい船の描写が本当に美しかったり、こういった企画展でしっかり作品を見なければ知ることができなかった柳原さんの作品の良さを味わうことができる素敵な展示でした。
撮影禁止だったため1月中に行ける方はぜひ実物を見てもらえればと思います。
まとめ
常設展示+企画展示両方じっくり見ているとかなりボリュームのある展示で、2時間近くがいつの間にか経過していました。
入館料はなんと大人400円・中高生300円・小学生200円。
しかも土曜日と「こどもの日」・「海の日」は小・中学生 無料とかなりリーズナブルです。
※季節企画で料金変動する場合もあり
たった400円でこの満足度、もっと払わなくていいんですか!?という気持ちになります。
立地としては清水駅から三保の松原へ向かう道中にあり、エスパルスドリームプラザや2025年4月にリニューアルオープンした魚市場である河岸の市もほど近く、お出かけの導線がコンパクトにまとまる場所で駐車場が無料なところも魅力です。
今も港町として栄え続けている清水。
コンテナヤードに並ぶ色とりどりのコンテナや、そびえ立つ大型クレーンの風景は、ただ眺めるだけでも迫力があります。
さらに、家にあるツナ缶ひとつを取ってみても、その背景にある歴史を知ることで、清水という街への理解や愛着がぐっと深まりました。
大人も子供も夢中になれるフェルケール博物館にぜひ一度足を運んでみてください。
< リンク・アンビション LINE公式アカウント>
静岡県の転職・キャリアや、暮らしに関する最新情報収集はこちら。ぜひお友だちになってください^^
この記事を書いたコンサルタント
私自身、転職相談をきっかけに予想外のキャリアチェンジを経験し、新たなスタートを切った一人です。元事業会社の人事担当者として培った企業側の視点も活かしながら、有益な情報を提供させていただきます。転職という人生の大きな決断に際し、お力添えができれば幸いです。