転職コラム&ブログ

静岡の企業がハイクラス人材を採るための『報酬以外の魅力・価値設定と伝えるべきこと』とは? [転職・キャリアコラムVol.194]

こんにちは。株式会社リンク・アンビション キャリアコンサルタントの金子です。

弊社では昨今、ハイクラス人材の転職支援実績が非常に多くなっております。
企業が時代に合わせた経営戦略を実現するためには、社内に不足する高度なスキルを持つスペシャリストや、事業を牽引できるマネジメント層、そして新たな価値を生み出すイノベーターの存在が欠かせません。
そんな事業環境で即戦力となるハイクラス人材の採用は、今や不可欠な経営戦略だと言えます。

今回は、ハイクラス人材(年収1000万円~2000万円)の採用を検討する企業様に向けて、報酬以外の自社の魅力や価値設定と、その伝え方についてお伝えします。




 【 目次 】 


 

1. ハイクラス人材は、「給与」だけでは動かない


「東京と同じ年収は出せない。」

これは、静岡に限らず、地方企業の経営者から頻繁に聞く言葉です。
確かに首都圏との給与格差は現実的な課題ですが、それを理由にハイクラス人材の採用を諦める必要はありません。

なぜなら、彼らが求めているのは、
・自分の経験を活かした新しい挑戦
・経営に近い立場での意思決定
・自分の存在意義を感じられる仕事

たとえ年収を維持できる道があっても、あえて地方企業を選ぶのは、“意味ある変化”に投資しているからです。

2. 静岡企業が提供できる“魅力”と“価値”

ハイクラス層のご相談で頻繁に出てくるキーワードは「限界」です。
「現在の会社ではやれることの限界が見えている」
重要な役割を担うからこそ、組織の限界や自分のキャリアの天井を冷静に見極めています。つまり、
成長の機会と新しい挑戦の場を探しているということです。

静岡県内の企業には、その成長の機会と挑戦の場を提供できる土壌があります。
一例ですが、実際に転職を決めたハイクラスの方々からは、こんな声が上がっています。

「経営層直下で意思決定に関わることができることに魅力を感じた」
「中小企業ならではのスピード感と裁量がある様子に魅力を感じた」
「首都圏で培った知識経験を地元に持ち帰って地元に貢献できると感じた」

静岡は製造業や食・環境・観光など、地域に根ざした産業が多く、「経営の近さと地域貢献」という明確な意義を持つことができる企業が多くあります。
“経営への近さ”と“社会的意義”、この二つの価値こそが、静岡企業が打ち出せる最大の強みです。

3. “魅力”と“価値”の伝え方


特に“経営への近さ”の魅力を「社長直下」「裁量が大きい」のみで終わらせてしまうと、ハイクラス層には届きません。
大切なのは、経営者が自社の存在意義と未来を直接語ることだと考えます。

例えば面接で、
「既存事業の〇〇のノウハウを活かして静岡の産業を変えていきたい。そのために新規事業の構想と実行をあなたに任せたい。まずは5年で基盤を作り、10年で地域に根付く仕組みを一緒に築いていきたい。」
このような明確な“ミッション”と“期待”を伝えることで、求職者は自分の次の10年を描けるようになります。

また、「社長の考え方に共感した」という理由で転職を決めるケースも非常に多いです。

当社では、こうした経営者の想いや事業ビジョンを掘り下げる『企業TOPインタビュー』を実施しています。
「なぜこの事業をしているのか」「どんな未来を描いているのか」を経営者の言葉で伝えることで、ハイクラス人材が共感し、興味を持つきっかけになります。
実際に、インタビューを読んだ方から「社長の考え方に共感し、応募を決めた」「この会社で一緒に挑戦したい」という声を頂くこともあります。
“経営者の言葉で魅力を伝える”ことが、経営に近いポジションであるハイクラス層の採用の成功確率を大きく変えると、コンサルタントの立場でも実感しています。
経営者の言葉こそ最大の採用資産なのです。

4. 実例:年収よりも“経営の近さ“を選んだ転職者


あくまで一例ですが、関東から静岡へIターン転職を決めた50代の方(前職の役職定年前年収1,500万円→転職後年収1,000万円)がいらっしゃいます。
金融業界で事業再生を手がけてきた経験を持ち、現職では役職定年ということもあり経験を活かすポジションに就くことができなくなってしまった中で、地域の中で経営に近いポジションで力を発揮したいと考えていました。
最終的に静岡県のある企業と出会い「経営層と伴走しながら事業変革を進められる」環境に魅力を感じ、転職を決意しました。
理由はただひとつ、意味ある挑戦ができるフィールドだったからです。

この方のように、40代~50代で“経営層に近い立場でやりたいことができる企業”との出会いが、年収を超える価値になった事例が増えています。

まとめ


ハイクラス採用は、もはや「給与」だけではなくなってきました。
報酬ももちろん大切ですが、むしろ地方企業だからこそ“報酬以外の魅力”でも勝負できる時代です。

経済産業省が提唱する「ライフデザイン経営」でも、個々の働き方に柔軟に対応することが企業価値の向上に繋がるとされています。
静岡企業が自社の経験価値と社会的意義を明確に打ち出し、報酬ではなく“意味”で人を惹きつけることができれば、企業の成長と地域の発展の両立が実現できるはずです。

私たちも企業TOPインタビューを通じて、静岡企業の想いと魅力を発信し、ハイクラス人材のU・Iターン転職支援で静岡をさらに盛り上げていきたいと考えています。


<あわせて読みたい>
 
企業TOPインタビュー


リンク・アンビションのサービスを利用し、人材採用を行う静岡県の企業のTOPインタビュー。事業や人材に対する想いが詰まった内容となっていますので、ぜひご覧ください。

静岡県の企業TOPインタビューを読む

 


 

< リンク・アンビション LINE公式アカウント>
静岡県の転職・キャリアや、暮らしに関する最新情報収集はこちら。ぜひお友だちになってください^^
LINE公式アカウント 友だち追加

金子 奈未

この記事を書いたコンサルタント

金子 奈未

KANEKO NAMI

AREA:静岡

私自身、転職相談をきっかけに予想外のキャリアチェンジを経験し、新たなスタートを切った一人です。元事業会社の人事担当者として培った企業側の視点も活かしながら、有益な情報を提供させていただきます。転職という人生の大きな決断に際し、お力添えができれば幸いです。