静岡県の転職で採用選考時に意外と見られる「出身高校」- その背景と本当の重要度とは [転職・キャリアコラムVol.193]
コンサルタント 種市転職を考えたら(転職活動・情報収集)
2025年10月9日(木)
こんにちは 株式会社リンク・アンビションのコンサルタント種市です。
学歴重視の採用が弱まりつつあります。少子高齢化による人材不足や、DX推進や新規事業開発など変化の速い領域では「学歴よりも実際に何ができるか」が重視されるようになったことが要因です。一方で採用現場では書類選考において未だに根強く学歴フィルターは存在しています。
静岡県では他県に比べて、採用選考時に候補者の出身大学より「出身高校」が一種の判断材料として重視される文化が根付いています。もちろん、合否を決定づける最重要項目ではありません。しかし、この地域特有の文化を知っておくことは、転職活動を円滑に進める上で決して無駄にはなりません。今回は、静岡県の転職市場における「高校ブランド」の実態と、それが持つ本当の意味について解説します。

1. なぜ静岡では出身高校が重視されるのか
この文化の背景には、静岡県の「地域経済の成り立ち」が深く関わっています。静岡県は、県西部、中部、東部とそれぞれが独自の経済圏と文化を持ち、地域に根ざした情報網が数多く存在します。そのため採用担当者や経営者にとって、候補者の出身高校は、その人がどのような環境で育ち、どんな地域性を持っているのかを推し測るための一つの指標となります。もちろん他地域でもある程度の考慮はされますが、それぞれの高校に対する一種の「共通認識(ブランドイメージ)」が形成されており、それが選考時の参考とされるのです。
これは決して学歴フィルターのようなものではなく、地域コミュニティとの繋がりや、長く地元でビジネスを続けてきた企業ならではの文化と言えるでしょう。
2. 評価されるのは「進学校」だけではない
「高校名が重視される」と聞くと、偏差値の高い進学校ばかりが有利になるように思われるかもしれません。しかし、静岡県の場合は少し異なります。
もちろん、学力の高さを証明する進学校が評価されるのは事実ですが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に「商業高校」や「工業高校」といった専門高校が特定の業界で高く評価されています。
例えば、製造業が集積する県西部では、工業高校で専門技術の基礎を学んだ人材は現場職種において評価されます。同様に、商業高校で簿記や情報処理を学んだ人材は、経理や事務職としての高いポテンシャルを期待されます。これらの専門高校は、各業界が必要とする人材を長年にわたって輩出してきた実績があり、企業との間に強い信頼関係が築かれています。卒業生の活躍が、そのまま高校の評価となり、「〇〇工業出身なら、技術の基礎はしっかりしているだろう」といった安心感に繋がるのです。
3. あくまで「プラスアルファ」の要素。最重要は「実務経験」
ここまで静岡県特有の文化について解説してきましたが、最もお伝えしたいのは、出身高校はあくまでプラスアルファの要素でしかないということです。
中途採用において、企業が最も重視するのは、言うまでもなく「これまでの実務経験」と「今後、自社で活躍してくれる可能性」です。どんなに評価の高い高校の出身であっても、実務経験やスキルが伴っていなければ採用に至ることはありません。逆に、もしご自身の出身高校に自信がなかったとしても、それを補って余りある実績とスキルがあれば、何の問題もなく高く評価されます。
出身高校の話題は、面接でのアイスブレイクになったり、同じ卒業生がいることで親近感を持ってもらえたりするきっかけにはなるかもしれません。しかし、それは補助的なもの。転職活動の軸は、あくまでご自身のキャリアの棚卸しと、強みの言語化に置くべきです。
まとめ
これから静岡県で転職を考えている方は、この文化を一つの知識として頭の片隅に置きつつも、過度に気に病む必要はありません。大切なのは、ご自身がこれまで培ってきた経験とスキルを、自信を持ってアピールすることです。
私たち転職エージェントは、あなたのキャリアが持つ本当の価値を企業に伝え、最適なマッチングを実現するためのお手伝いをいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
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この記事を書いたコンサルタント
TANEICHI KAZUYOSHI
AREA:静岡
静岡県西部エリアの企業を中心に担当しております。転職活動全般を支援させていただきますので、どの段階からでもご相談ください。選考中においても、履歴書や職務経歴書などの応募書類の作成支援から、面接対策まで、選考プロセス全体を通じてしっかりとサポートいたします。