内定獲得!「目先の高条件」その内容は信用できますか [転職・キャリアコラムVol.159]
コンサルタント 種市転職が決まったら(退職・入社に際して)選考対策(書類・面接)
2024年8月6日(火)
こんにちは リージョナルキャリア静岡(運営:株式会社リンク・アンビション)
キャリアコンサルタント 種市です。
内定を獲得したら、オファーレター(内定通知書)の提示となります。
チェックすべきポイントは、「その給与アップは理屈が通っているか」です。
現在の水準以上の給与が支払われるのは、採用したらすぐ成果を出してくれる超即戦力と評価される人材や、ITのように相場が高騰している領域の人材になるでしょう。
こうした筋の通った理由があればよいですが、そうではないのに大幅な給与アップのオファーが提示されたらむしろ警戒すべきです。
実際に寄せられた失敗例
弊社に初めて転職のご相談に来られた方がいました。
聞くと、1年前に転職をされたばかり。
転職理由を伺うと提示されていた給与が2年目に大幅にカットされてしまったとのことでした。
当時500万円の年収だった方に700万円のオファーだったそうです。
内訳を聞くと、営業手当で20万円/月がついていて、更に管理職手当もついていたので年収が跳ね上がっていました。
営業手当には50時間分の残業代が含まれていて、管理職手当も実際には管理職業務は行わずあくまで年収調整のための手当でした。
また同じ役割の同僚は年収500〜600万円程度と明らかに差がついており、入社後のパフォーマンスに対する期待も上がっていました。
入社後に起こったこととして、当然、既存社員より高いパフォーマンスを1年目から発揮することは難しく、組織再編があり所属部署が変わり上司も変わり評価が一変し、調整の為の手当がなくなってしまったそうです。
提示時には役員の鶴の一声ででた条件も、組織再編が起こると裁量の管轄が変わるため、採用するためだけの一時調整の手当は入社後の人事考課でいかようにも変えられる可能性があるのです。
給与アップには根拠が必要です。
年収の決定要因=本人の能力×業界×国内系か外資系か×業界順位×顧客からの距離×直接部門か間接部門か
ここに挙げた6つの項目について、一つ一つ検討していくと、給与アップの理屈が通っているかどうかがわかります。
例えば、人事の経験者が飲食業界からIT業界に即戦力として転職するケースでは、給与アップの理屈が通っていると判断ができます。
一般に粗利益率の低い業界より高い業界のほうが、給与水準は高くなるからです。
リモート勤務可も要注意
最近よく聞く話として、リモート勤務可というから入社したのに実際は出社を求められるというケースです。
これも会社としての制度としてはあるが、部署(職種)によって異なる、または実際は出社しいてるメンバーの方が評価が高い、上述のように組織再編で決裁者が変わるなど複数の理由を聞きますがチェックポイントとしては
・配属部署のメンバーもリモート勤務をしているか
・経営者がリモート勤務を推奨しているか
・何故リモート勤務を導入したのか
上記3点を確認してみてください。
私の取引先でなるほどと思った事例で、「フルリモート、フルフレックスは推奨だが年数回の社内イベントに前のめりであることが採用条件」という企業があります。
確かにフルリモートの上で、社内イベントに「これって仕事ですか」と言うメンバーではフルリモートかつフルフレックスで成果を上げ続けるのは至難の業と言えそうです。個人の尊重を重視するので、そんなに多くない社内イベントくらい全員が前向きに臨もうよという考え方です。
こういったリモートで成り立つ仕組み、考えがある企業は信頼してよいと思います。
またリモート手当のようにリモート勤務することでつく手当が制度としてある企業も問題ないと思います。
オファーレターがでたらまず確認を
採用難が続く現状では、オファーレターを提示する際に、いかに書面での印象をよくするかの勝負は各企業が考えています。
そのため、採用するための調整手当は実際に存在します。
確認事項としては
・不明瞭な手当の内訳
・2年目以降の変動可能性
・同職種で他のメンバーも手当がつくのか
この辺は確認しておいた方がよいでしょう。
私の取引先では「この手当は1年間限定」で入社後のパフォーマンスはしっかりジャッジしますという企業があります。
その際には定性として求めている事、KPIとして出せる場合は数値をある程度ハッキリ話して頂きます。
本来企業側も活躍してほしくて採用するので、懸念なく入社してほしいのが本音です。
条件面の判断にはご家族などご本人以外の気持ちも入ってきます。
「入社してから気づいた」では遅いのです。
そのためにも根拠のある情報で検討できるようにしていきたいですね。
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この記事を書いたコンサルタント|種市 一仁
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