【転職を諦める前に知って欲しい◎◎的成功】プロティアン・キャリアのススメ [転職コラムVol.087]
2022年06月01日(水)
こんにちは。
リージョナルキャリア静岡(運営:株式会社リンク・アンビション)です。
私たちのところに転職相談に来られる方の中には、
半年~1年、場合によってはそれ以上の期間を掛けて転職に成功される方や、
一度は転職を諦めたものの、しばらくしてから改めてご相談に来られ、転職先を見つける方たちが一定数いらっしゃいます。
タイミング良く、希望とピッタリ合う求人が発生したというケースもありますが、
その方自身の努力によって、良い転職先が見つかることがあるのです。
転職エージェントに求人を紹介してもらいに行っているのに、自分の努力で見つかる?
何が起こっているのか、
今、転職を諦めかけている人や、自分の気持ちに蓋をしたまま仕事をしている人にもぜひ紹介させてください。
なぜ、転職できなかった人が転職できるようになるのか?
上に紹介したような方たちに共通しているのは「希望条件が最初と変化している」こと。
希望の転職先が見つからず、一度は肩を落としながらも、自分自身のやりたいことを考えたり、
キャリアや転職について様々な情報を調べたり、自分と向き合う努力を繰り返しているのでしょう。
例えば、私が担当させて頂いた方でも、機械設計職での転職を希望しながら、
なかなか納得できる転職先に巡り合えず、検討を続けるうちに
「職種よりも、チームプレイを大切にする風土が自分にとって大切だ」と気づき、
自分がイキイキと働ける風土を軸に改めて転職活動を開始、営業職として転職された方がいます。
それは妥協じゃないか?と感じた人もいるかもしれませんが、私はそう思いません。
なぜなら、そのような方たちと話していると「自分が本当に欲しいものを知っている」と感じるからです。
妥協というよりは、自分がキャリアを歩む上で譲れないものを明確にし、
そうでないものを削ぎ落していく作業という印象を受けます。
そのような方たちは、当然、私たちも転職先での活躍を確信できるものです。
社会的成功から心理的成功へ
この過程で意識したいことは「心理的成功」です。
優秀でありながら転職先探しに苦労する方は
「社会的成功」へのこだわりが強いケースが一定数見受けられます。
会社規模・年収・休日・福利厚生、これらの水準を下げることなく、
職種や業界を変えるなどのチャレンジをすることの成功率は低いといえます。
現在勤めている企業が大企業であれば尚更でしょう。
企業視点で見れば、「職種・業種を変える=即戦力度が下がる」からです。
チャレンジすることは、何かを手放すことと常にトレードオフです。
「心理的成功」を大切にするキャリア理論
実は、今から50年近くも前の1976年に「心理的成功」の大切さを説いたキャリア理論があります。
ボストン大学経営大学院のダグラス・ホール教授が提唱した「プロティアン・キャリア」です。
社会や経済などの変化に対応しながら、
自らの働き方や能力を柔軟に変えていける“変幻自在なキャリア”を意味します。
近年、日本では、法政大学の田中研之輔教授が蘇らせ、注目を浴びているキャリア理論です。
プロティアン・キャリアに興味がある方は、
「プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本/田中 研之輔/日経BP」を一度読んでみると良いでしょう。
プロティアン・キャリアにおけるキャリアの主体は、組織ではなく、個人。
「組織の中に個人のキャリアがある」のではなく、「個人のキャリアの中に組織がある」という考え方です。
転職は、自分が雇用される組織を変えるタイミングですので、
この「個人のキャリアの中の組織」という考え方はかなり親和性が高い、どころか、まさにそのものとさえいえます。
自分の心理的成功を見つめることで、キャリア選択に必要な要素が見つかり、
それはつまり、転職先に何を求めるかが明確になるということです。
このプロセスを経た後では、実は自分にマッチする転職先は既に存在していた、ことに気づくケースもあるのです。
なぜ今プロティアン・キャリアなのか
現代は、変化が早い時代だとはよく言われますが、
実際にキャリアを考える上ではどんな変化が起きているのでしょうか。
並べてみると、プロティアン・キャリアが実は時代ともマッチしていることがよく分かります。
・2013年 高年齢者雇用安定法により、定年が60歳→65年に引き上げ。2025年からは全企業において義務化。
・2016年 書籍「LIFE SHIFT」がベストセラーになり、“人生”100年時代“が浸透。
・2019年 経団連の中西元会長やトヨタ自動車の豊田社長らの終身雇用維持の難しさへの言及
・2020年 老後2000万円問題が話題に
・2020年 新型コロナ蔓延開始。様々な業務がオンライン化。
・2021年 高年齢者雇用安定法により、定年を70歳に延長することの努力義務化
・2021年 厚生労働省 「第11次職業能力開発基本計画」で
労働者の自律的・主体的なキャリア形成が方向性として打ち出され、
リスキリングやリカレントといった社会人学習が話題に
このように、この10年程度でも様々な“当たり前”が変化しており、
キャリアのハンドルは自分で握ることの重要性が増しています。最近では、この10年間で平均残業時間が46時間→27時間、有給消化率が41%→60%に変化したとのニュースも出ており、働き方は大きく変化しています。
さいごに
VUCAと言われる変化の時代において、社会的成功を求め続けることは難しく、
個人的には、息苦しさを感じる働き方のように感じることもあります。
今すぐに転職を考えるかは別として、
時には、落ち着いて自分のキャリアでの「心理的成功」についてゆったり考える時間を持ってみてはいかがでしょうか。
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