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地方でのフルリモート転職について <転職コラムVol.084>

こんにちは。
リージョナルキャリア静岡(運営:株式会社リンク・アンビション)キャリアコンサルタントの竹田です。

今日は、コロナ禍以降増えてきた「フルリモート求人」「在宅勤務求人」についてお伝えしたいと思います。

転職サイトなどで勤務地を「静岡県」に限定して検索すると、
勤務地に全国の主要都市がずらっと並び、「※フルリモート勤務可能です」という注釈の入った、
“フルリモート求人”を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
年収帯や年間休日などの待遇が良く、自由度の高い働き方に魅力を感じたこともあるかもしれません。

このフルリモート求人、実際のところ、アリなのでしょうか?ナシなのでしょうか?

私自身、コロナ禍以降の2年間の間に
・フル出勤
・出勤とリモート半々程度
・ほぼフルリモート(月数回程度出社)
を経験してきましたので、自身の経験も交えながら、フルリモート求人への転職についてお伝えします。

実は、結論から言うと、地方でのフルリモート転職は、かなり慎重になるべきだと考えています。

 

  「人間関係」が落とし穴に

リモート勤務を経験された人は分かると思いますが、週に1~2回リモート勤務(残りは出社)と、1週間丸々リモート勤務では、感覚が全く異なります。
抽象的な表現になってしまいますが、「会社に所属している感覚」が薄くなり、「会社の風土や雰囲気」が急激に分からなくなります。

私自身も、リモート勤務を始めたばかりの頃は、3日間もリモートが続くと、どことなく落ち着かなかったことを覚えています。
フルリモート求人への転職を検討する方は業務スキルに自信がある方が多いでしょうから、日々の業務には問題は無いかもしれません。

しかし、トラブルやミスなど、周囲の助けが必要な時にはどうでしょうか?
社内とはいえ、オンラインでしか顔を合わせたことがない人にはかなり気を遣うのではないでしょうか。
また、嫌われてしまったのではないか、社内の評判が悪くなるのではないか、など、無用な心配もすることになるかもしれません。

 

 
  「正統的周辺参加」という考え方

組織学習において、「正統的周辺参加」という概念があります。
少し言葉が難しいのですが、
新入社員は簡単な仕事から始め、少しずつ重要な仕事を担うようになる。
この過程において、協働の中で学習する。という考え方です。

このように書くと、今さら学習など必要ない、と思う方もいるかもしれません。
しかし、正社員として勤務する以上、「組織への参加」が求められます。
その意味では、学習は確実に必要なのです。

仮に、全く同業種×同職種に即戦力として転職したとしましょう。

◎用語が違う
◎業務システムが違う
◎業務フローや承認フローが違う
◎組織が大切にしている価値観が違う

このようなことはいくらでも起きます。
そして、この組織への参加において、リモートワークでは弊害が出やすいのです。
出社していれば、服装や言葉遣い、大事にしているルールやマナー、役職者の呼び方…
こういうことは、自然と目や耳に入ってくるものですし、数ヵ月もすれば、その「その組織の人っぽく」なっていくものです。
しかし、フルリモートになると、これらがブラックボックスになってしまう訳です。

転職活動をしている時は、「職務内容」や「労働条件」のことに意識が行きやすいですが、
入社をすれば、そこには「職場」があるということもぜひ頭に入れておきましょう。

 

 
  働き方は変化の真っ只中

忘れてはいけないのは、リモートワークを含め、働き方は変化の真っ只中だということです。

2年前、リモートワークは東京オリンピック混雑対策で大手企業を中心に試験中でした。
それが、たった2年間でこれだけ多くの人がリモートワークを経験するようになった訳です。

そして、2022年現在でも、GAFAMを始めとする時代の最先端を行く企業でさえもリモートワークの是非は議論を呼んでおり、シェアオフィスの活用やABWの導入など、オフィスの在り方、職場の在り方も含め、まだまだ世の中全体が変化の途中にあるといえるでしょう。

現在はフルリモートが認められていても、数年後にそれが保障されているとは限りません。
仮に東京の企業に転職した場合、フルリモートができなくなっても首都圏に自宅があれば大きな問題にはならないかもしれませんが、静岡に暮らしている人にとっては、家庭を巻き込む一大事、下手をすれば、その為にまた転職…ということにもなりかねません。

 

 
  まとめ

① 転職先の組織では誰もが新人である
② 組織に慣れるという意味では、リモート環境のビハインドは大きい
③ 馴染みのある組織でリモートワークをするのと、新しい組織にリモートワークで飛び込むのは全く別物
④ フルリモートが永続的なものであるかは誰にも分からない

収入が増える、休日が増える、首都圏のスピード感・規模感の仕事が出来る、などのメリットが見えやすいフルリモート転職。
移動時間が無くなり、プライベートとの両立もしやすくなるなど、テクノロジーの進化によって生まれた歓迎すべき働き方の変化だと思います。

一方で、新しい働き方であるが故にまだ分からないことが多いのも事実。
把握可能な範囲で、メリット・デメリットを比較しながら、慎重に判断されることをお勧めします。

 



 

 

この記事を書いたキャリアコンサルタント:


 
竹田 敬介
Takeda Keisuke
リージョナルスタイル認定コンサルタント
担当エリア:静岡、愛知
2008年に大学卒業後、広告代理店を経て、2011年、株式会社マイナビに入社。
転職メディアの営業として、愛知県5年、静岡県3年と東海エリアの中途採用支援に従事。
2019年からは教育研修事業部門の営業部長として、
国内大手企業への人材育成・組織開発のコンサルティング営業を行うと共に、
自社組織のディレクションにも携わる。
2021年、静岡・愛知に「人と組織の相乗効果で成果を生みだす」組織を
増やすことをミッションとし、リンク・アンビションに入社。