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【30代・40代の転職】 企業規模・裁量・年収・肩書き…こだわり条件を見直すヒント  [転職・キャリアコラムVol.191]

こんにちは。
リンク・アンビション キャリアコンサルタントの金子です。

30代~40代で転職を考えるとき、どうしても「ここだけは譲れない!」という条件やこだわりが出てきます。もちろんそれは大切なことですが、実はその「こだわり」が理由で転職の幅を狭めたり、面接でうまく伝えられずに不合格につながるケースも少なくありません。

今回は、ミドル層が転職でこだわりがちなポイントを3つ取り上げ、それぞれの落とし穴と対策のヒントをご紹介します。ぜひ「自己チェック」としてご活用ください。





 【 目次 】 



1.「今より大きな規模」「裁量を持ちたい」に対する具体性は十分ですか?


よくお聞きする転職理由に「これまで培ってきた経験で、今より規模が大きい企業で実力が通用するか試したい」という志向をお持ちの方がいらっしゃいます。
チャレンジ精神に満ちている点は素晴らしく、前向きな姿勢は面接でも評価されるポイントですが、実はここに落とし穴があります…。
例えば、「規模が大きい企業」と言っても、実はイメージや定義は人それぞれです。イメージ次第で、企業の選び方は大きく変わってきます。


よくある勘違い



■「大企業=裁量が大きい」と思っている。
→実際には大企業ほど分業化が進んでいて、自分の裁量はむしろ狭まることもあります。また意思決定プロセスも複雑で、自分の裁量という実感を持ちにくくなる傾向があります。

■「売上の大きな会社=自分が扱う金額規模も大きい」
→必ずしもそうとは限らず、担当範囲は限定される場合もあります。
例えば、売上5,000億円のメーカーで勤務しているが、自分は1製品ラインの営業を担当し、扱うのは数億円規模に留まるというケースです。

自分が新たな環境で挑戦してみたいことが何なのか、より細かく考えることでその希望が叶う会社は「今より規模が大きい会社」ではない可能性も出てきます。

対策のヒント



■「大きな規模」とは具体的に何を指すのか?(社員数、売上高、シェア、海外展開などを数値で定義してみる)
■その規模で自分はどんな挑戦をしたいのか?
■規模の大きさは「会社規模」より「部署の役割・文化」で変わることもあるので、転職エージェントやアルムナイネットワークを活用し内部事情を聞いてみることも有効です。



■「社員数100名程度の規模から、海外拠点を持つ1000名以上の規模の会社で英語を使ったマネジメントに挑戦したい。」
■「年商50億円の会社から、300億円以上の規模で新規事業に携われる環境に行きたい。」
といった形で明確にしていくと、応募先のミスマッチを防げます。

2.「家庭や生活スタイルとのバランス」を見誤っていませんか?


30代~40代は、「親の介護」「子育て」「住宅ローン」など、複数のライフイベントが重なる時期です。
人は往々にして、目に見えやすい「年収」や「仕事内容」に目がいってしまいがちになります。
しかしその条件で働いて、自分が転職によって叶えたいことが本当に実現できそうか、立ち止まって考えることが必要です。

よくあるケース



■年収の頭打ちで、年収のUPを先々見込める企業への転職を検討。
→年収アップを叶えるために初年度年収や成果重視の評価制度が決め手で転職。
→想像していた以上に仕事の時間が増え、家庭での時間が減少
→家庭内の不満が募り、再び転職を余儀なくされる…

このように、転職前に「転職を検討している理由」と、それを解決した際の「家庭や生活スタイルとの整合性」を十分にシミュレーションしていないと、せっかくの転職が逆効果になってしまうこともあります。

対策のヒント



■「仕事」と「家庭」「生活」のバランスをシミュレーションしてみる
■家庭内での役割を自分の中で決めつけずパートナーと擦り合わせる
■現状だけでなく、今後のライフステージの変化(子どもの進学、親の介護等)も見据える
→家庭によって仕事とのバランスの取り方は大きく違います。口コミサイトなどで見られる、具体的なエピソードのない「ワークライフバランスが取れる/取れない」のコメントを鵜呑みにしないことも重要です。



■残業は増えたが、リモートワークが中心で送迎や家事分担ができるようになった。
■年収は据え置きだが、残業が少なく家族と過ごせる時間が増えた。

収入だけではなく「家族の幸せ」を含めて考えることで、後悔のない転職につながります。

 
参考:

 
転職成功者インタビュー


弊社の転職支援サービスを利用して転職を成功された方へのインタビュー記事「転職成功者インタビュー」では、具体的なエピソードを交えて家庭とのバランスを取りつつ仕事内容でも満足できる転職成功事例を多く掲載しております。そちらもぜひ参考にしていただければと思います。

つづきはこちら

 

3.「前職の肩書き」にこだわりすぎていませんか?


今まで経験してきた組織の中での役職のイメージが先行してしまい、部長職から課長職などに「役職が下がる」ことに抵抗感を感じるパターンがあります。
こうした肩書きへのこだわりもよくあるパターンです。

実際のところ



■会社によって役職の定義は全く違う
■見かけ上は役職が下がっても、裁量は広がるケースも多い
■新しい環境では、プレイヤーから始め、持てる能力を発揮した後に役職を得る方がキャリアの幅が広がることもある

このように肩書きにこだわることで、そういったチャンスを逃してしまいかねません。

対策のヒント



■自分がこだわるのは「肩書き」なのか「裁量」なのか分析する
■仕事内容や責任範囲を確認したうえで判断する
■必要であれば一度「役職なし」で挑戦する覚悟を持つ
→無意識に現在の環境の中での役職を前提に考えてしまい、客観視が難しいこともあります。その際にはキャリアコンサルタントや身近にいる方と壁打ちすることで、自分のこだわりや覚悟の度合いを確認することも一つの手です。

事例



■役職は下がったが、経営会議に出席できる立場になり、影響力はむしろ増した。
■前職は課長だったが、転職先では肩書なしで入社 → 3年後には部門長に昇進

まとめ


ミドル層の転職は「条件の交渉」だけではなく、「こだわりの背景を言語化すること」が成功の鍵となります。

■今より大きな規模で挑戦したい → 何を大きくしたいのか?
■家庭や生活のバランス → 年収アップと引き換えに失うものはないか
■前職の肩書 → 本当に大切なことは、役職名か、裁量や成長の機会か?

これまで積み上げてきた経験が豊富だからこそ、立ち止まって「5年後、10年後の自分の姿」を想像しながら検討することが大切です。

転職は自分だけではなく、家族や周囲の幸せにもつながる大きな決断です。
こだわりを整理しながら、広い視点でキャリアを描いていきましょう。


ぜひ面談の場で現状の転職によって解決したい問題とこだわりたいご希望を詳しくお伝えください。一緒にその内容を整理することで、より広い選択肢作りのお手伝いや、挙がった選択肢の中からご志向に沿った方向性を定めるお手伝いができるかと思います。

 

 
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金子 奈未

この記事を書いたコンサルタント

金子 奈未

KANEKO NAMI

AREA:静岡

私自身、転職相談をきっかけに予想外のキャリアチェンジを経験し、新たなスタートを切った一人です。元事業会社の人事担当者として培った企業側の視点も活かしながら、有益な情報を提供させていただきます。転職という人生の大きな決断に際し、お力添えができれば幸いです。