2025年9月24日(水)
こんにちは。
リンク・アンビション キャリアコンサルタントの金子です。
30代~40代で転職を考えるとき、どうしても「ここだけは譲れない!」という条件やこだわりが出てきます。もちろんそれは大切なことですが、実はその「こだわり」が理由で転職の幅を狭めたり、面接でうまく伝えられずに不合格につながるケースも少なくありません。
今回は、ミドル層が転職でこだわりがちなポイントを3つ取り上げ、それぞれの落とし穴と対策のヒントをご紹介します。ぜひ「自己チェック」としてご活用ください。

よくある勘違い
■「大企業=裁量が大きい」と思っている。
→実際には大企業ほど分業化が進んでいて、自分の裁量はむしろ狭まることもあります。また意思決定プロセスも複雑で、自分の裁量という実感を持ちにくくなる傾向があります。
■「売上の大きな会社=自分が扱う金額規模も大きい」
→必ずしもそうとは限らず、担当範囲は限定される場合もあります。
例えば、売上5,000億円のメーカーで勤務しているが、自分は1製品ラインの営業を担当し、扱うのは数億円規模に留まるというケースです。
自分が新たな環境で挑戦してみたいことが何なのか、より細かく考えることでその希望が叶う会社は「今より規模が大きい会社」ではない可能性も出てきます。
対策のヒント
■「大きな規模」とは具体的に何を指すのか?(社員数、売上高、シェア、海外展開などを数値で定義してみる)
■その規模で自分はどんな挑戦をしたいのか?
■規模の大きさは「会社規模」より「部署の役割・文化」で変わることもあるので、転職エージェントやアルムナイネットワークを活用し内部事情を聞いてみることも有効です。
例
■「社員数100名程度の規模から、海外拠点を持つ1000名以上の規模の会社で英語を使ったマネジメントに挑戦したい。」
■「年商50億円の会社から、300億円以上の規模で新規事業に携われる環境に行きたい。」
といった形で明確にしていくと、応募先のミスマッチを防げます。
よくあるケース
■年収の頭打ちで、年収のUPを先々見込める企業への転職を検討。
→年収アップを叶えるために初年度年収や成果重視の評価制度が決め手で転職。
→想像していた以上に仕事の時間が増え、家庭での時間が減少
→家庭内の不満が募り、再び転職を余儀なくされる…
このように、転職前に「転職を検討している理由」と、それを解決した際の「家庭や生活スタイルとの整合性」を十分にシミュレーションしていないと、せっかくの転職が逆効果になってしまうこともあります。
対策のヒント
■「仕事」と「家庭」「生活」のバランスをシミュレーションしてみる
■家庭内での役割を自分の中で決めつけずパートナーと擦り合わせる
■現状だけでなく、今後のライフステージの変化(子どもの進学、親の介護等)も見据える
→家庭によって仕事とのバランスの取り方は大きく違います。口コミサイトなどで見られる、具体的なエピソードのない「ワークライフバランスが取れる/取れない」のコメントを鵜呑みにしないことも重要です。
例
■残業は増えたが、リモートワークが中心で送迎や家事分担ができるようになった。
■年収は据え置きだが、残業が少なく家族と過ごせる時間が増えた。
収入だけではなく「家族の幸せ」を含めて考えることで、後悔のない転職につながります。
参考:
転職成功者インタビュー
実際のところ
■会社によって役職の定義は全く違う
■見かけ上は役職が下がっても、裁量は広がるケースも多い
■新しい環境では、プレイヤーから始め、持てる能力を発揮した後に役職を得る方がキャリアの幅が広がることもある
このように肩書きにこだわることで、そういったチャンスを逃してしまいかねません。
対策のヒント
■自分がこだわるのは「肩書き」なのか「裁量」なのか分析する
■仕事内容や責任範囲を確認したうえで判断する
■必要であれば一度「役職なし」で挑戦する覚悟を持つ
→無意識に現在の環境の中での役職を前提に考えてしまい、客観視が難しいこともあります。その際にはキャリアコンサルタントや身近にいる方と壁打ちすることで、自分のこだわりや覚悟の度合いを確認することも一つの手です。
事例
■役職は下がったが、経営会議に出席できる立場になり、影響力はむしろ増した。
■前職は課長だったが、転職先では肩書なしで入社 → 3年後には部門長に昇進

この記事を書いたコンサルタント
KANEKO NAMI
AREA:静岡