転職したばかりだけど、転職(退職)するのはあり?なし? [転職・キャリアコラムVol.166]
コンサルタント 荒井転職を考えたら(転職活動・情報収集)
2024年11月20日(水)
こんにちは。株式会社リンク・アンビション コンサルタントの荒井です。
転職したばかり、または転職後1年ほどでの再転職について、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
世間では「会社には最低3年在籍するべき」などの意見も根強い中、「転職したばかりで、再転職するのは今後のキャリアの悪影響になりそう」や「短期間で辞めてしまう人材と思われそう」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、転職直後の再就職に関する不安や迷いを抱えている方に、参考にしていただけるテーマをお届けします。
大切なのは「退職の理由」
早期での退職を検討する際に、もっとも大切なのは退職を検討する理由です。
なぜ退職したいのかを、自分自身でしっかりと整理し、相手の企業にも納得してもらえる理由であるかどうかが重要です。
早期退職のケースにおいては、入社前に聞いていた条件と異なることや、人間関係の問題が理由となることが多いのではないでしょうか。
家庭の事情で「絶対に転勤できない」ことを伝えた上で、転勤なしと聞いて入社したにもかかわらず、入社後に県外への異動を打診され、断ることができない状況になった場合など”それはしかたがない理由だ”と理解してもらえることが理想です。
一方で、拠点が全国にある企業では、そのような異動の可能性があるため、なぜ転勤がないのか、その根拠まで事前に確認できていたかが重要なポイントになります。
また、下記ようなご相談をいただいたこともありました。
「面接時に聞いていた年収条件よりも大幅に低い待遇での入社となり、上司に相談しても改善されなかった」というものです。一見、会社側に非があるように見えますが、ポイントは口頭の約束のみではなく、入社前に条件通知書に待遇が記載されていたかどうかです。
この方の場合、個人で転職活動を行っていたため、条件通知書をもらっていなかったそうです。
いかなる理由であっても、事実を明確に伝えることで信じていただけるかがポイントとなります。
面接では、退職理由が事実かどうかを確認するために、様々な角度から深堀りされることが多いため、事前に事実を端的に伝える準備をしておくことが重要です。
今の会社に3年在籍した時のことを考える
転職するべきか迷ったときは、ひとまずこの会社に3年勤めた場合どうなるかを考えてみてください。
例えば、ご相談いただいた方の中には下記のようなケースがありました。
「想定よりもハードな環境で、毎月100時間を超える残業が続き、家庭とのバランスを大事にしたいが、転職するべきか悩んでいる。子どももまだ小さいため、もう少し家庭に時間を割きたい。」
この方は当時37歳で、マネジメント経験がありませんでした。このまま3年務めると40歳となり、転職の際には一般的にマネジメントスキルが求められる年齢です。しかし、現職でマネジメント経験を積むには、あと10年程度かかると上司には言われたそうです。そのため、仮に3年間会社に留まった場合でも、現在のハードな働き方が続き、40歳時点で転職を考えても、マネジメント経験がないことで希望する職場への転職に苦戦する可能性が高いと予想されます。
このようなケースでは、現時点での市場価値と3年後の市場価値で判断すると考えの整理ができるのではないでしょうか。
また、下記のようなご相談もありました。
「前職での経験を生かしてスキルアップを目指して転職したものの、実際には前職よりもスキルの低い仕事内容になってしまった」
スキルアップや前職の経験を活かしたい方にとって、このまま3年間スキルアップにつながらない業務を続けると、ブランクと見なされる可能性があります。そのため、できるだけ早くスキルを維持・向上できる環境に転職することも一つの選択肢です。
次の会社が決まるまで、なるべく退職はしないこと
業務が多忙で転職活動に時間が割けないという方も多いですが、先に退職をすることで下記のリスクがあります。
健康上の問題など緊急性がある場合を除き、先に離職してしまうのは非常にリスクが高いです。
信頼できる転職エージェントと二人三脚でサポートを受けながら、なるべく退職する前に転職活動を進めることをお勧めします。
最後に
どんな理由であれ、会社を見極めることができずに選考を進めていったのは自身の判断であり、入社を決めたのも最終的にはご自身です。
〇〇のせいで、聞いていたことと違った、という事実としてのギャップがあるかもしれませんが、すべてを他者の責任にしてしまうのは印象が良くありません。採用する企業としては「この方は、入社後に何か問題があれば、会社のせいにして転職してしまうのでは?」という懸念を抱くことが考えられます。あくまでも見極めができなかった自分の責任という気持ちを持っていただければ、面接官の評価も変わるはずです。
状況を誤解を招かずに伝えることは難しいかもしれませんが、弊社では退職理由の整理もお手伝いしております。また、今回の転職が転職市場においてどのように映るかについても率直にお伝えしますので、転職すべきかどうかの判断材料としてご相談いただければ幸いです。
短期間での転職を繰り返すようなことが起きないように、弊社では求職者と企業とのミスマッチを避けるような転職支援を心がけています。
ご自身のキャリアビジョンや価値観と、転職先の企業・仕事が本当にマッチしているのかどうかをしっかり見極めてから転職をしたい方は、ぜひご相談ください。