【面接の事前対策/基本編】押さえておきたいポイントについて [転職・キャリアコラムVol.112]
コンサルタント 原口選考対策(書類・面接)
2023年3月22日(水)
こんにちは。
リージョナルキャリア静岡・愛知(運営:株式会社リンク・アンビション) キャリアコンサルタントの原口です。
今回は転職時に大切な面接対策と準備について解説します。
面接は事前にしっかりと対策をすれば、選考を通過できる可能性が高くなります。
十分な準備を行うために、これから面接を控えている方は、参考にしてみてください。
はじめに
●事前のシナリオの準備 及び ロールプレイング(面接練習)が、非常に大切です。
●面接は、商談と同じ心理戦です。
相手の質問意図をできる限り理解し、それに極力応えられるようなシナリオ準備がカギとなります。
●面接には圧迫面接(面接官が敢えて厳しいスタンスをとり、
覚悟やストレス耐性を確認する面接)とそうでないものとに区別されます。
但し圧迫面接であっても、シナリオの準備をしっかりしていれば対応は可能です。
●面接手法としては、
【構造化面接】
(あらかじめ評価基準と質問項目を決めておき、マニュアル通りに実施していく面接)」あるいは
【コンピテンシー(行動特性)面接】
(具体的な行動事例や、実績を出せた要因等を「なぜ、なぜ」を繰り返しながら確認してくる手法)
を面接に取り入れている企業が多くなっています。
そのため、事前のシナリオ準備が非常に大切です。
まずは、下記6点について、最低限準備をして面接に臨まれることを、キャリアコンサルタントとしてお勧めします。
詳しくご説明します。
1. 自己紹介
(企業の意図:説明能力、職歴の確認)
・今までの職歴を中心に2分30秒以内でまとめてみて下さい。
※人事より「最初に経歴を簡単にご紹介ください」。
これには、「職務経歴は一通り読んでいます。でも、私が理解できるように、簡潔に、そして私の集中力が持つ間に…」という意味なのです。
※基本的な構成例
「(氏名)と申します。本日は改めまして宜しくお願い申し上げます。○大学卒業後、○メーカーである○社に入社し、○年○ヶ月間、○業界に対しての○業務に従事し、○年○月に主任に昇進、メンバー○名のマネジメント業務にも従事致しました。そして○年○月一身上の都合で同社を退社し、現在に至ります。」という形で答え、細かい経験や理由については先方からの質問を待つようにすると説明が冗長になるのを避けることができます。
2.転職(退社)理由 ※現職だけではなく経験した会社すべての転職理由
(企業の意図:転職理由と志望動機に一貫性があるか、他責(他のことのせいにする)が強くないか、納得感があるか、逃げではないか、ストレス耐性があるか)
・転職理由で気をつけるポイント
『現職(前職)で、自分の実現したいことがどうやっても出来ない為、やむなく転職を検討している(退職した)』ということが伝わるようにする。
※転職理由例
【現職(前職)事業の将来性への不安というケースだと・・・】
「仕事内容自体には○というやりがいを持って従事しておりましたが、事業(あるいは業界)の現状あるいは将来性が○という状況にあり、○という内容の改善策を私なりに実行してきましたが、結果○という理由から改善出来ず、長期勤務を見据えた時に、懸念を感じるに至り、やむなく転職を検討しております。」
(この場合は、応募企業に将来性があることを語れることが前提となります。→転職理由と志望動機の一貫性が重要となります。)
・会社(事業)の責任が100%という内容にしないことに注意して下さい。
(批判だけで終わる内容、ネガティブなだけの理由は厳禁です)
・その不安に対し、自分もビジネスパーソンとして事業に迷惑をかけない範囲で具体的な努力(改善への動き)をしたという内容も盛り込めればベターです。
(転職しようと思った理由/背景に対し短絡的に「辞める」という結論を出す前に、自分なりにどう改善しようと思ったか、現職でどういうアクションを起こしたか、などの行動プロセスを補足すると良いと思います。)
・曖昧、感覚的な表現を避け、具体的で納得感の高い理由を心がけてください。また、会社組織や人間関係など周囲の環境等だけを理由にするのも好ましくありません。出来る限り前向きで好感の持てる理由で纏めてください。
3.志望理由
(企業の意図:業界、弊社のことをどれだけ理解しているか→意欲が高いか、転職理由と一貫しているか)
・基本的な考え方の一例:
転職理由が「事業の将来性に不安」の場合、志望理由は「御社のいる業界及び御社には将来性があるので」となります。※転職理由を実現できる内容に必ずして下さい。
※志望動機の基本的な構成(※転職理由との一貫性がベース):
業界への志望動機+会社への志望動機(競合優位性をおさえながらがベターです)+仕事への志望動機(仕事への志望動機はCanとCannotとWillに仕分けして説明)となります。
・業界本やホームページ、競合社を必ず確認し、「自分ならこうして御社に貢献する(CanとWill)」「出来ない部分は速やかに自分の強みを活かして習得する(CannotとWill)」を区別して力強く語ってください。
※出来ないこと(Cannot)を語ることは、必ずしも悪ではありません。
むしろ業務内容などを正確に理解している証拠になります。
(応募先企業で、転職当初出来ないことが全くない状態というのは、あまりないと思われますし、謙虚さ、仕事内容の研究が逆にしっかり出来ているPRになる場合もあります。)
・企業からはよく「なぜうちを志望したのかよく分からなかった」とご指摘を受けることがあります。
一般的な応募理由(転職理由を実現できるという根拠のPR)にプラスして、
その会社でなければならない理由(例、企業理念に強い共感を持った、製品やサービスの競合優位性に強い興味がある、その会社でやりたい事など)を付け加えると良いでしょう。
・「成長したい」「キャリアアップしたい」だけで終わることは避けて下さい。
※簡単な志望動機例(転職理由が「事業の将来性に対する不安」の場合):
「私は御社がおられる○業界に対し、○という理由から将来性があると考えております。そしてその中で御社の○という優れた競合優位性(あるいは将来性)に強く惹かれ、応募させて頂いた次第です。もし御社に入社させて頂きましたら、○という私の強み(あるいは経験)を活かし、すみやかに御社事業に貢献出来るよう業務に邁進する所存でございます。また、未経験である○業務に関しましても、私の○という強みを活かし、早急に習得する所存でおります。」
4.あなたの強みを活かせた成功エピソードは?
(今までの仕事上の最大の障害をどう乗り越えたか?というエピソード)
(企業の意図:この人の強みは弊社の中で再現出来るか、自己認識度合い、障害を乗り越える行動特性の確認)
・強みは複数でも構いません。
※基本的な構成
「私の強みは、○と○と認識しております。なぜなら~(※ここから強みを活かせた成功エピソードの説明→)その強みを活かして、○という課題に対して、○という根拠(理由)から○という打ち手を実行し、○という結果を実現出来たからです。」
・エピソードの説明で注意すること:
ビフォー(改善前の課題の説明)・アフター(改善後の実績や状態の説明)を意識して下さい。
・打ち手の説明に関して:出来れば、今までの中で一番の努力をして実行したというものだとベターです。
・学生時代の成功エピソードを聞かれることもあります。
5.失敗エピソードは?
(失敗から何を学び、今にどう活かしてるかというエピソード)
(企業の意図:失敗を前にした時の行動特性、ストレス耐性、成長性、謙虚さの確認)
※基本的な考え:
「当時、○という課題(あるいは目標)に対し、○という行動をとりましたが、○という結果しか出せませんでした。この結果を踏まえて、私の(あるいは事業の)課題は○と認識し、今後の業務においては○面を改善し、結果、○という成果を実現することが出来ました。そしてそこから私は○の大事さを学ばせて頂きました。」
6.質問項目の設定
【重要】
質問は、面接の中で数少ない能動的な時間となります。
ですからビジネスセンスや志望度合、場合によっては人間性をPR出来る時間でもあります。
※基本的な構成
・業界及び会社の競合優位性の仮説(自分の意見)の確認をする※つまり、志望動機で表明したことの確認をする。
【例】
業界の将来性に関して、私は○だと感じておりますが、御社はどう思われていますか?/御社の競合優位性に関しまして、私は○だと感じておりますが、御社のご意見をお聞かせ願えますか?
・労務環境や待遇の確認などの質問は、面接官の考えによってはリスクになる場合もございます。
(内定後、落ち着いた状態でしっかり確認するという手段もあります※転職エージェント経由の場合は、担当のキャリアコンサルタントに相談してみてください。)
■面接練習方法
・『書けないことは語れません』必ず紙に書き出してみて下さい。
・鏡に向かって練習&録音。セルフチェックに有効な練習方法です。
・キャリアコンサルタントを活用して、直接またはWEBにて模擬面接をする。
(他者からの評価・見られ方を確認することができます)
■心構え
・緊張するのが当たり前です。だからこそ事前準備が大切です。
・面接の場は盛り上がらないのが当たり前と思って下さい。
(盛り上がらなくても、その雰囲気にがっかりせず、あるいは負けず、PRしたいことを確実に伝えることに留意して下さい。)
・「謙虚さ」「真面目さ」を意識する。
(「出来ること」だけが100%にならないように。つまり出来ないことは真面目に、一生懸命頑張るというスタンスも大事)
・上記6点を押さえておくと、臨機応変な回答もしやすくなります。
(例えば、強みエピソードの質問がなくても、志望動機の「自分の強みを活かす」部分のPRや最後の挨拶での自己PRに加えることが出来ます。)
■テクニック
・結論から語り、その根拠や詳細を話すシナリオ準備を意識する。
(例:質問は3つございます。まず1つめは・・・)
・最初の挨拶例→
「本日はお時間を頂き、誠にありがとうございます。(氏名)と申します。本日は宜しくお願い申し上げます。」(そして一礼)
・緊張している場合→
「誠にお恥ずかしいことですが、本日はとても緊張しており、お聞き苦しいこともあるかと思いますが、何卒宜しくお願い申し上げます。」
・最後の挨拶例→
「本日はお時間を頂き、誠にありがとうございました。
(→そして、最大30秒から1分程度の、自分の強みを活かして、入社後どう成長し、どう事業貢献できるかあるいはしたいかの最後の自己PRをする→)、
ですので、このような私ではございますが、ご検討の程何卒宜しくお願い申し上げます。」(そして一礼)
・目線は、面接官の鼻の辺りを見ると、心理的負担の軽減になります。
最後に
面接で重要なことは面接官の質問の意図を理解し、相手の意図に沿った回答をすることです。
そのためには、付け焼刃で答えるのでなく、事前に業界・企業研究と自己分析、そして限られた時間内で回答する練習が必要となります。
面接の結果は事前準備と反復練習によって大きく左右されることは事実ですから、
面接合格に向けて、しっかりと事前準備をしておきましょう。
この記事を書いたコンサルタント:
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